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社会・文化

ベルリン・フィル 「次期首席指揮者」は誰か

有力候補「若手3人」の熾烈な争い

2014年9月号

「世界最高のオーケストラ」として知られるベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が、新しい首席指揮者を探している。現在の「シェフ」であるサイモン・ラトルが、二〇一八年に退任するからだ。イギリス人の彼は〇二年から現職にあるが、任期十六年を節目として、自ら身を引く決意をした。  ベルリン・フィルの首席指揮者とは、これが決まらないと他のオケの人事も決まらないというほどの、最も重要なポストである。候補者を自負する指揮者たちは、このオケが決定を下すまで、他所からのオファーを承諾しない。「ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、バイエルン放送交響楽団が意中の人材を獲得できるかは、誰がベルリン・フィルで〝落選〟するかにかかっている」(ドイツの業界関係者)とまで言われる。  もっとも、決定までにはまだかなりの時間がかかる。発表は早くて来年、遅くて一六年の春先になるだろう。大体、一八年からの役職を今から決める、ということ自体が、読者には途方もないことに聞こえるに違いない。しかし、トップ・オーケストラの選抜期間としては、ごく普通の長さである。クラシック・ビジネスでは、有名アーティストの契約は通常三、四年・・・