金正恩を「見捨てる」中国
「三代目排除」の謀略もありえる
2014年9月号
八月九、十日の週末。ミャンマーの首都ネピドーでは、久しぶりの外相会談が相次いだ。「十カ月ぶり」の日韓、「二年ぶり」の日中。そんななか、中国の王毅外相が北朝鮮の李洙舷外相と会談した中朝外相会談も実に二〇一三年七月以来、一年ぶりのことだった。両者の素っ気ない関係を表すかのように、日朝会談の開催は報じた朝鮮中央通信も、中朝会談には一切触れなかった。会談の中身は「核実験や弾道ミサイル発射などの挑発をしないよう、中国が迫ったようだ」(関係筋)という寒々としたものだったようだ。
南国での不自然な光景が示すように、中国と北朝鮮の間の不協和音は最近も改善の兆しを見せていない。八月一日に北京の人民大会堂であった中国人民解放軍の記念式典。北朝鮮は例年出席してきた駐在武官の参加を見送った。七月に習近平国家主席が訪韓した際、中国が事前説明のための特使団の派遣を平壌に打診したところ、北朝鮮はにべもなく断った。そればかりか、その前後に日本海に向けてロケット弾や短距離弾道ミサイルを繰り返し発射。平壌で外交行事が開かれると、最近は、ロシア大使の方が中国大使よりも格上に扱われるという。韓国政府高官は「北の中国・・・