「合併はコスト削減を主眼に決定したもので、二〇一五年度のコスト削減効果として一一年度対比で五百六十億円を見込んでいる」

　一三年度決算を受けて今年五月二十七日に東京・西新宿のＮＫＳＪホールディングス（ＨＤ）本社で行われたＩＲミーティング。櫻田謙悟社長は再編の狙いをこう言い切ってみせた。要するにトップラインの収益を引き上げるといった成長戦略は「二の次」で、「合理化」こそが最大の目的というわけだが、当然至極というべきか。

　この九月一日付で損保ジャパン日本興亜ＨＤと看板を書き換えた持ち株会社の下で、損保ジャパンと日本興亜損害保険が合併して同日誕生した「損保ジャパン日本興亜」。両社の収入保険料を単純合算すれば、一三年度で二兆八百二十一億円となり、一兆九千六百六十三億円の東京海上日動火災保険を上回って、単独損保としては業界トップの座に躍り出る。とはいえ、仮に三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険が共同持ち株会社、ＭＳ＆ＡＤインシュアランスグループＨＤの下で合併を決断すれば、収入保険料は単純合算で二兆五千二百九十一億円。あっという間に追い抜・・・