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社会・文化

《日本のサンクチュアリ》宗教法人課税

「坊主丸儲け」を許す政治家とメディア

2014年8月号

 今春、公益法人への課税、増税論議が永田町で俄かに盛り上がり、新聞を中心とするメディアでも取り上げられたが、ひと月足らずでしぼんでしまった。年末には消費税追加増税についての判断が控え、アベノミクスの柱として首相官邸が拘っている法人税減税の議論が続いている。

 一千兆円を超える「借金」を抱える日本の財政、税制を問うべき時にもかかわらず、公益法人課税議論はなぜ消えたのか。

 最強の国家権力である「徴税権」を持つ国税庁にとって、宗教法人はいまだ「聖域」(国税OB)であるからにほかならない。宗教法人への課税を阻んでいる「勢力」について、仏教系新興教団の幹部が絶対匿名を条件に語る。

「我々を守ってくれるのは政治家とマスメディアだ。信者ももちろん世論という形で圧力をかけるが、課税を議論する政治家と、新聞に代表されるメディアが宗教法人への課税をタブーにしている」


政治家は宗教法人と「べったり」


 今年四月、安倍晋三首相の諮問機関である政府税制調査会が、公・・・