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政治

《罪深きはこの官僚》黒川弘務(法務省 大臣官房長)

ゾンビ法案 「共謀罪」復活の黒幕

2014年8月号

「強い安倍政権下でないと共謀罪法案成立は不可能とみて、法務・検察は攻勢をかけている。先頭に立っているのは官房長の黒川だ」

 全国紙政治部ベテラン記者はこう語る。二〇〇九年の通常国会閉会と共に廃案となった法案がゾンビのように復活しようとしている。犯罪を計画すると、その話し合いに加わっただけで逮捕、処罰される共謀罪。高支持率を背景に安倍政権は昨年から共謀罪法案を再提出するそぶりをみせてきた。

 通常国会が終了した七月、秋の臨時国会で共謀罪法案成立を目指すという報道が溢れ、内閣官房長官の菅義偉が火消しに走るという光景が繰り広げられた。実は、「法務官僚は集団的自衛権の議論のまっただ中の五月、六月中には準備を始めていた」(前出記者)。法相の谷垣禎一は、集団的自衛権に関する安全保障関連法案の提出が来年の統一地方選以降になることが判明するや、すぐに旧谷垣派の国会対策委員長、佐藤勉に「秋に共謀罪をやれないか」と打診した。

 法相に就任して以降、谷垣に法案再提出を繰り返し説得してきたのが官房長の黒川弘務だ。今回は、事前に刑事局を中心として・・・