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欧州中銀が膨らませる「官製バブル」

次なる金融危機は「秒読み段階」

2014年8月号

「今回決めた措置は大掛かりだが、これで終わりかと問われれば、その答えはノーだ」 「我々は今や全く異なる世界にいる。それは低インフレと脆弱な回復、金融・信用力の弱体化だ」  欧州中央銀行(ECB)は六月五日、史上初となる「中銀預金金利のマイナス化」導入を含む追加金融緩和策を発表、同行のマリオ・ドラギ総裁は理事会後の記者会見でこう述べた。  だが、この「ドラギマジック第二章」も効果は不透明だ。欧州経済は、局地バブルの歪みを引き起こしながら、実体経済はいよいよ二番底に向かっている。現実味が増すデフレ危機に対応するため、「超ハト派姿勢」で臨むドラギは、次なる第三章の「量的緩和」に向かって前のめりだが、これはさらなるバブル拡大と大崩壊への序章にほかならない。 すでに壮大な「金融実験」 「現時点でわれわれは直ちに行動する必要があると見ていない。危機は終わっていないが、多くの明るい兆候がある」  昨年末に独『シュピーゲル』誌でドラギはこう発言していたが、年が明けると「超ハト派」に変節する。その後の発言を追うと、「行動する意思も用意もある」(二月)「一・・・