東燃ゼネラルで続く醜い「内紛劇」
コスモ石油との経営統合も「暗礁」に
2014年8月号
東燃ゼネラル石油とコスモ石油が、生き残りを賭けた提携に乗り出した。隣接する千葉県市原市の二製油所をパイプラインでつなぎ、操業効率を高めることで余剰な精製設備を廃棄する。両社は堺市の二製油所でも同様の共同運営を検討しており、経営統合へ発展すれば、両社合わせたガソリン販売シェアは約三〇%。最大手JX日鉱日石エネルギーの約三五%に迫る一大勢力が誕生する。
両社の提携を仲介したのは経済産業省だ。燃料油の急速な内需縮小を受け、同省は六月十日、「産業競争力強化法」を石油産業に初適用し、元売り各社に三年後の再編計画提出を義務付ける新制度を発表した。その再編第一弾と期待されているのが、この「東燃ゼネ―コスモ」連合である。
しかし、東燃ゼネ内部には、武藤潤社長の失脚を狙う勢力の"行政不信"が募る。内紛の行方次第で経産省の再編シナリオは画餅に終わりかねないのだ。実は、火種は二年前に仕込まれていた......。
元社長一派の"嫉妬"と"怨念"
「東燃ゼネの社長に、望月さんが就くらしいぞ」
こんな噂が、経産省の一部でささやかれたのは二〇一二年春のことだった。・・・