三井住友が「一兆円」M&A構想に邁進
三菱UFJへの「対抗心」むき出し
2014年8月号
「いまやBTMU(三菱東京UFJ銀行)の背中を完全に視界に捉えた」。三井住友銀行(SMBC)幹部がほくそ笑む。
二〇一四年三月期のメガバンク決算―金利低下による国内預貸金利鞘の縮小などでBTMUの実質業務純益が前期比一五%、みずほ銀行に至っては同二五%超もの減益に陥るなか、SMBCは唯一、前期並み水準の八千百二十四億円を確保。その前の期には一千九百億円近くあったBTMUとの「利益格差」を一気に四百三十五億円にまで縮めたのだ。
余勢を駆って今期から始動させたのが、一七年三月期までのグループ新中期経営計画。一四年三月期で二兆八千九百八十二億円の連結業務粗利益を三年間で一五%成長させて三兆三千四百億円に引き上げるなど、トップラインの収益拡大を色濃く打ち出したのが特徴だ。仮にこの目標が達成でき、なおかつ三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)がゼロ成長にとどまったとすれば、一四年三月期で八千五百億円超も水を開けられているMUFGとの差は四千百億円余りに縮小する。「経費面でウチの方が圧倒的に効率化が進んでいることを考えれば、ひょっとすると連結純利益でMUFGを上回るといった・・・