西風 398
リニアは「悪夢の超特急」
2014年7月号
「慌てる乞食は貰いが少ないというが、のんびりしていたら本当に何も貰えなかった」
十月にも東京(品川)~名古屋間が着工される東海旅客鉄道(JR東海)のリニア中央新幹線について、京都府議の一人が諦めたようにぼやく。JR東海の計画では名古屋までの開業は二〇二七年で、大阪への延伸が完了するのはそこからさらに十八年後。この予定が公表されたのは七年も前である。ここにきて関西政財界はジタバタしているようだが、「後の祭り」(在阪社会部記者)だ。
関西経済団体四団体と関西広域連合が合同で名古屋~大阪間の「同時開業を求める決起大会」を開催し、自由民主党の「超電導リニア鉄道に関する特別委員会」や国土交通省に要望を行ったのは、昨年になってから。ここにきて自民党内の関西選出議員が「大阪同時開業のほうが経済効果は高い」として、アベノミクス第三の矢の成長戦略に同時開業を盛り込もうと躍起になっているが、当のJR東海、国交省は冷ややかだ。
ここまで関西政財界が出遅れたのはなぜか。七年前にJR東海が計画を発表した当初、、関西の財界では「まだ二十年も先の話」とのんびり構えていた。そればかりか、大阪府・・・