慢心「女子プロゴルフ」の落とし穴
「アマチュア活躍」は終わりの始まり
2014年7月号
凋落著しい男子ツアーと比較して、日本女子ゴルフ界はわが世の春を謳歌しているように見える。しかし実際にはいつ転落してもおかしくない落とし穴が足元に迫っていると、全国紙運動部ゴルフ担当のベテラン記者は指摘する。
「賞金と試合数が膨張し身の丈に合っていない上に、日本人選手のレベルが伸びていない」
新たなスター不在の中で、日本の女子ツアーは「むしろ今が踏ん張りどき」(ゴルフ誌記者)だが、その自覚はない。
日本の女子プロゴルフは男子に遅れること十五年、一九八八年からツアー制度が始まった。年間競技数は三十九試合をピークに、バブル崩壊以降、男子ゴルフとほぼ同じペースで試合数が減少していった。二〇〇〇年代に入ってすぐは特に苦しかったと前出ゴルフ誌記者は語る。
「大きな声では言えないが、賞金女王を毎年不動裕理が獲得しつづけていて、観客も集まらず男子以上に『冬の時代』だった」
そこに登場したのが宮里藍だ。〇三年のダンロップ女子オープン(OP)でアマチュアながら優勝を果たした。俄かに女子ゴルフに注目が集まり、同年代の横峯さくらが登場して一気に女子ゴルフが春を迎えたことは・・・