三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

社会・文化

介護業界トップ 「詐欺的商法」の実態

高齢化社会の矛盾が凝縮

2014年7月号

「介護バブルはもう崩壊したんですよ」  神奈川県内の介護事業所「茶話本舗」の関係者はこう言い捨てた。  国会会期末の六月十八日、地域医療・介護総合確保推進法が成立し、利用者負担割合の増加や、特別養護老人ホームの入居制限などが盛り込まれた。制度開始からわずか十四年で早くも大きな設計変更を余儀なくされた介護保険。今後も、国による費用抑制は続き、介護の現場を直撃する。実は既に介護ビジネスの歪みは露わになっている。  冒頭に登場した「茶話本舗」は、株式会社「日本介護福祉グループ(日本介護G)」が展開する事業所で、全国に八百一カ所もある。デイサービス(通所介護)を主要事業として拡大してきたグループだ。今年一月時点で二位(三百カ所余り)以下に圧倒的な差をつけているデイサービス業界のトップ企業である。ただし「直営店」は四十カ所余りで、大半がフランチャイズ(FC)加盟者による事業所だ。 「月百万の利益」というウソ  同社は「介護業界の風雲児」と呼ばれる三十八歳の藤田英明会長が二〇〇五年に創業。わずか十年弱で業界の頂点に上り詰めたが、急拡大する茶話本舗のビジネ・・・