「来年十月総選挙」が早くも本命に
そろり動く反安倍「長老連合」
2014年7月号
首相安倍晋三の脳裏には苦い過去の記憶が蘇っているに違いない。七年前、第一次内閣を担っていた安倍の足元でも閣僚たちの舌禍、スキャンダルが続発した。
「女性は産む機械」(厚生労働相柳澤伯夫)、「長崎の原爆投下はしょうがない」(防衛相久間章生)―。当時の閣僚たちの耳を疑うような失言が頻発した。農林水産相松岡利勝は事務所費の不透明さを追及されて自ら命を絶った。このタイミングで巡ってきた参院選は惨敗。その後、体調を崩した安倍は自ら政権の幕を引いた。
そして今また、鉄壁と見られていた政権内で閣僚の舌禍が続いた。環境相石原伸晃が東京電力福島第一原子力発電所事故をめぐる中間貯蔵施設建設問題で思わず口にした「最後は金目でしょ」発言。失言の“常習者”でもある副総理兼財務相麻生太郎は集団的自衛権の行使容認問題を、学校でのいじめの問題に絡めて説明しようとして大脱線した。
「勉強はできない、けんかは弱い、だけど金持ちの子。これが一番やられる」
さらにこの二人の失言と同時進行で自民党所属の東京都議会議員の「セクハラやじ」が飛び出した。「一強多弱」の慢心が生んだとしか思えない自民党の悪・・・