《世界のキーパーソン》アクセル・キシロフ(アルゼンチン経済財務相)
債務危機回避を担う大統領の「忠犬」
2014年7月号
国が借金を払えなくなったら、どうなるのか。日本が遠からず直面するかもしれない問題に、南米アルゼンチンは数年前、単純な解答をした。一方的棒引きである。同国はその後、何もなかったかのように、G20に加わり、サッカーのワールドカップに出続けた。
今年六月、米国の最高裁判所が「こんな話は通らない」との判断を下した。一方的に棒引きを通告された投資家たちの権利を認め、債権支払いを命じた下級審の判決を支持したのだ。支払い命令は十三億ドルだが、同様の債権は百五十億ドルにのぼるとされ、アルゼンチン債務危機の悪夢が亡霊のように甦った。脆弱で過敏な他の新興国市場に波及する恐れもある。
火消し役のキシロフ経済財務相は今年四十二歳。エルビス・プレスリーのようなもみ上げと、胸をはだけたシャツ姿は、国際会議でひときわ目立つ。四年前まで、ブエノスアイレス大学の経済学教授で、マルクス主義の経済用語を駆使して、学生たちに経済理論や世界経済の成り立ちを説明していた。
クリスチナ・フェルナンデス大統領(通称「CFK」)は、国際舞台では独特の愛嬌と厚化粧で・・・
今年六月、米国の最高裁判所が「こんな話は通らない」との判断を下した。一方的に棒引きを通告された投資家たちの権利を認め、債権支払いを命じた下級審の判決を支持したのだ。支払い命令は十三億ドルだが、同様の債権は百五十億ドルにのぼるとされ、アルゼンチン債務危機の悪夢が亡霊のように甦った。脆弱で過敏な他の新興国市場に波及する恐れもある。
火消し役のキシロフ経済財務相は今年四十二歳。エルビス・プレスリーのようなもみ上げと、胸をはだけたシャツ姿は、国際会議でひときわ目立つ。四年前まで、ブエノスアイレス大学の経済学教授で、マルクス主義の経済用語を駆使して、学生たちに経済理論や世界経済の成り立ちを説明していた。
クリスチナ・フェルナンデス大統領(通称「CFK」)は、国際舞台では独特の愛嬌と厚化粧で・・・