「資源ラッシュ」に沸く西アフリカ
「第二のブラジル」で中印が争奪戦
2014年7月号
西アフリカが資源開発ブームに沸いている。といってもナイジェリア、ガボンといった従来からの産油国、産ガス国ではない。ガーナからコートジボワール、リベリア、さらにシエラレオネに至るギニア湾沿岸を西に向かう「アフリカの小国の巣」で続々、資源が発見されているのだ。そこでは今世紀に入って資源需要を急増させている中国、インドなどが欧米系を押しのけて資源権益を着々と押さえ始めている。
二〇〇七年はガーナにとって国の運命が変わった年になった。西部地域沖合の深海で、可採埋蔵量が十八億バレルと見積もられる巨大油田が発見されたからだ。石油業界では十億バレル以上の油田を「エレファント」と呼ぶが、もうひとつの〝アフリカの象〟が海で見つかったわけだ。この油田は「ジュビリー」と名付けられ、発見から三年の一〇年十二月には生産が始まり、現在の生産量は日量十二万バレルに達している。
資源開発のコンサルタント会社、英ウッドマッケンジーはガーナ沖合に広がる「コートジボワール海盆」について「十億バレル級の大型油田がいくつも見つかる可能性が高い」と指摘しており、ノルウェーのAker、イタリアのENIなどが深海鉱・・・