三菱地所のブランド失墜が深刻
「欠陥マンション大騒動」の内幕
2014年7月号
竣工目前だった超高級分譲マンションを、基礎だけ残して取り壊して建て替えるという「異例」(建設業界関係者)の工事が近々、はじまろうとしている。三菱地所の住宅事業子会社、三菱地所レジデンスが都内でも有数の一等地として知られる南青山に建設し、今年三月二十日に入居者へ引き渡す予定だった「ザ・パークハウス グラン 南青山高樹町」であり、再び日の目を見るまでには三~四年かかる見込みだ。「ウチにとっては九仞の功を一簣にかくとでも言っていいほどの痛恨事。業界ナンバー1の伝統と信頼を誇ってきたブランドに思い切りケチがついた格好だ」。地所レジデンス関係者の一人はこう言って肩を落とす。
解体・建て替えに追い込まれた理由は他でもない。昨年十二月、内部告発によって発覚した欠陥工事だ。「スリーブ」と呼ばれる、配管や配線を通す穴がまったく開けられていなかったり、違う場所に開けられたりで使い物にならなかったのだ。設計ではこうした穴が六千カ所あったが、その一割にものぼる六百カ所でミスがあり、それをカバーしようとコンクリート施工後に杜撰な穴あけ(コア抜き)を行ったため二百カ所で鉄筋が切れてしまっていたという。
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