《クローズ・アップ》新浪剛史(次期サントリーHD社長)
サプライズ社長人事の「不安材料」
2014年7月号
コンビニエンスストア大手、ローソンの「育ての親」とも言える新浪剛史会長(五十五歳)がサントリーホールディングスの次期社長に就任することになった。今年前半の日本企業のトップ人事で、最大のサプライズであることは間違いないだろう。
驚く点はいくつもある。第一は佐治信忠社長兼会長はじめ一貫して創業家が守り通してきたサントリーのトップの座を創業家以外の外部の人材に渡すという点。第二は食品・飲料畑以外の業種、とりわけ商社、流通業界育ちの新浪氏だった点。第三は、二〇一〇年にキリンホールディングスとの経営統合が破談になった三菱グループ出身者をトップに迎える点だ。
創業家が今なお社風をつくり、自由闊達で挑戦する会社として伸びてきたサントリーにとって、創業家の持つ意味は単なる持ち株以上のものがある。トヨタ自動車の豊田家、パナソニックの松下家との違いは、サントリーホール、サントリー美術館などに具体的に表れている。
そうしたサントリー的なものを維持するには、創業家から後継者を出せなければ、本来は内部昇格という流れになるはずだった。だが、・・・
驚く点はいくつもある。第一は佐治信忠社長兼会長はじめ一貫して創業家が守り通してきたサントリーのトップの座を創業家以外の外部の人材に渡すという点。第二は食品・飲料畑以外の業種、とりわけ商社、流通業界育ちの新浪氏だった点。第三は、二〇一〇年にキリンホールディングスとの経営統合が破談になった三菱グループ出身者をトップに迎える点だ。
創業家が今なお社風をつくり、自由闊達で挑戦する会社として伸びてきたサントリーにとって、創業家の持つ意味は単なる持ち株以上のものがある。トヨタ自動車の豊田家、パナソニックの松下家との違いは、サントリーホール、サントリー美術館などに具体的に表れている。
そうしたサントリー的なものを維持するには、創業家から後継者を出せなければ、本来は内部昇格という流れになるはずだった。だが、・・・