ルノーに喰い尽くされる日産
いまや政府介入が必要な「最終段階」
2014年7月号
「フランスのルノーと日産の提携……国内では極めて冷静に受け止められています。むしろ、外国企業が経営に乗り出してくることを喜ぶ声しか聞こえてきません」
一九九九年七月、当時の与謝野馨・通商産業大臣は日米財界人会議でこう述べた。同相が仲介役となって「ルノー・日産アライアンス」が誕生して十五年が経過した。「リバイバルプラン時のカルロス・ゴーン氏の実績」「ルノーによるリスクマネーの供給」という二つの道理から、ルノーによる日産の支配は受け入れられてきた。特に、ビジョンを掲げた経営論が好きな「ゴーン信者」にとってはそうだろう。そして経済産業省もこの提携を「成功事例」と位置付けて、自らの役目を自画自賛してきた。確かに、当時としては最良の選択に等しかったかもしれない。だが、当初同規模だった両社の差はその後、拡大の一途を辿る。そして、両社のトップに居座るゴーン氏によって、不良親会社ルノーは日産から「仕送り」を無心しはじめ、今や「ハゲタカ」となって日産を喰い尽くそうとしている。
日本の「国益」にかかわる問題
ここで、ルノーの二〇一三年度損益計算書をみてみよう。営業収支は・・・