《世界のキーパーソン》張春賢(新疆ウイグル自治区党委員会書記)
ウイグル族弾圧を仕切る「新疆王」
2014年6月号
新疆ウイグル自治区の区都、ウルムチの市内で車を走らせると、高層ビルの建設工事現場が次々と目に入る。中国共産党指導部のウイグル族懐柔策の一環として、莫大な投資が続く新疆は今、建設ブームに沸く。工事現場に出入りする自動車のナンバープレートを見ると、不思議なことに地元の「新」で始まるものよりも、河南省の「豫」で始まるものが圧倒的に多い。河南省はウルムチから高速道路で約三千キロも離れている。大量の車はなぜ、はるばる新疆にやってきたのか。
「河南省は張春賢書記の故郷。ここの工事を請け負っているのはほとんど河南省の業者だから」と地元の白タク運転手が説明した。
二〇一〇年から新疆のトップに就任した張春賢は「新疆王」というあだ名で呼ばれることがある。習近平国家主席の信頼が厚く、中央からの多額の投資資金を誘導できることから、党、政府、軍だけではなく、地元の経済界にも絶大な影響力がある。しかし一般庶民の間での評判は決して良くない。「刀狩り」「モスク閉鎖」「ひげ禁止」といった高圧的な少数民族、宗教弾圧を実施し、ウイグル族から嫌悪されるのみならず、「彼が来てから・・・
「河南省は張春賢書記の故郷。ここの工事を請け負っているのはほとんど河南省の業者だから」と地元の白タク運転手が説明した。
二〇一〇年から新疆のトップに就任した張春賢は「新疆王」というあだ名で呼ばれることがある。習近平国家主席の信頼が厚く、中央からの多額の投資資金を誘導できることから、党、政府、軍だけではなく、地元の経済界にも絶大な影響力がある。しかし一般庶民の間での評判は決して良くない。「刀狩り」「モスク閉鎖」「ひげ禁止」といった高圧的な少数民族、宗教弾圧を実施し、ウイグル族から嫌悪されるのみならず、「彼が来てから・・・