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連載

日本の科学アラカルト 46

注目浴びる3Dプリンター 次世代機開発と応用に期待

2014年6月号

「二十一世紀の産業革命」と囃し立てられている3Dプリンターの歴史は意外に古い。源流となる技術開発はすでに四十年以上前から行われてきた。商品開発の過程で必要な模型製作は原寸もしくは縮小された、モックアップ(木製模型)やクレイモデル(粘土模型)によって作られてきた。現在でも使われるこれらの製作には時間とコストがかかる。簡便安価にモデル製作を行おうというのが「ビットプロトタイピング(BPT)」と呼ばれる技術であり、コンピューターデータから立体形成を行う。  ここにきて俄かに注目を浴びるようになっているのは、BPT機器の価格が圧倒的に下がったためで、特に普及型のものを3Dプリンターと呼ぶことが多い。装置そのものの値段もさることながら、実際の模型製作にかかるコストも加速度的に低下して、モノづくりでは必要不可欠になりつつある。  先ごろ、3Dプリンターで作成した殺傷可能な銃を所持していたとして逮捕者が出た。褒められた話ではないが、もはや模型製作という枠を超えて直接モノづくりに使える水準になっていることがわかる。3Dプリンターの技術では立ち遅れているといわれる日本だが、次世代の高性能プリ・・・