ホンダの「拡大路線」に限界露わ
身の丈超えた「世界販売六百万台計画」
2014年6月号
その日、株価は年初来安値へと沈んだ。二〇一四年三月期の決算を発表した四月二十五日から土曜・日曜をはさんで迎えた二十八日の東京株式市場。ホンダ株には朝から売り注文が殺到し、一時は前営業日終値比で五・二%安となる三千二百九十二円にまで下落。取引終了間際にかけて三千三百円台に戻したものの、結局、同四・五%安となる三千三百十五円で引けた。日経平均株価が一%安で踏みとどまる中でのちょっとした「暴落劇」。年初につけた今年の最高値四千三百二十円からは実に一千円超も下落したことになる。
原因はほかでもない。一四年三月期の業績が当初の見込みを下回ったうえ、一五年三月期の収益計画も投資家らの期待を裏切る、「いま一つ冴えない中身」(市場関係者)だったからだ。
巨額のコスト負担が収益を圧迫
「今年二月に期中の世界新車販売計画を下方修正して四百三十八・五万台に引き下げたにもかかわらず、結果はそれをさらに割り込む四百三十二・三万台。そのせいで売上高も計画比二千五百億円超下振れし、営業利益も七千五百二億円で同三百億円の未達。前期比で二ケタの増収増益とはいえ、アナリストの間・・・