好調マツダに忍び寄る「触手」
フォードとトヨタが急速に接近
2014年6月号
リーマン・ショックによる痛手や長く続いた超円高の影響で、一時は四期連続の赤字に転落し、「またしても経営危機か?」と囁かれてきた中堅自動車メーカーのマツダが一転、二〇一四年三月期は見事、息を吹き返した。しかも売上高が二二%増の二兆六千九百二十二億円、営業利益は三・四倍の一千八百二十一億円と過去最高を更新する「V字回復」だ。円安による為替効果という「追い風」の要素が大きかったとはいえ、その「復活」ぶりは自動車業界を驚かせている。ここにきてにわかに「優等生」となったそのマツダをめぐり、早くも業界では日米大手から送られる「秋波」が取りざたされ始めている。
かつてのマツダ在籍幹部がずらり
「マツダの業績回復は単に円安効果の一言で片付けられない」と、自動車業界担当の証券アナリストは指摘する。円安効果は日本車メーカー各社が等しく享受している。ところがマツダの業績回復は「質」が違う。「注目すべきは売上高営業利益率。マツダは一三年三月期の二・四%から六・八%と大きく成長し、ホンダの六・三%を上回るなど、円安要因以外の自助努力の成果が出ている」(同証券アナリスト)というのだ。
・・・