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経済

《企業研究》電源開発(Jパワー)

空前の好業績から突如の「転落」

2014年6月号

「好事魔多し」とはこのことだろうか? 東京電力の福島第一原子力発電所事故以来、三期連続の赤字を計上した関西電力、中部電力はじめ、惨憺たる業績が並ぶ電力業界にあって、独り何事もなかったように空前の好業績をあげてきた日本最大の卸電気事業者、電源開発(Jパワー)が一気に苦境に転落している。

 きっかけは松浦火力発電所(長崎県)2号機で起きた「事故」である。三月二十八日、夏場のフル稼働期を前に定期点検のため、松浦2号機ではタービンのオーバーホール作業が進められていた。発電機に回転を与えるタービンを覆うハウジングの上部をはずし、中にあった低圧タービンの動翼(ローター)がはずされ、タービン横の床に下ろそうとしたその瞬間、ローターがつながれていたケーブルから脱落、大音響とともに十二メートル下の床に転落したのである。ローターは石炭火力でも、液化天然ガス(LNG)火力でも蒸気や熱風を受けとめる多数の薄いブレードが軸を取り巻く形で取り付けられている。地面に激突すればブレードの大半は折れるか、ねじ曲がるだろう。当然ながら、ローターは使い物にならなくなる。

 ロータ・・・