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連載

続・不養生のすすめ 41

和食から牛乳を排除する愚
柴田 博

2014年5月号

二〇一三年十二月四日、アゼルバイジャンのバクーで開かれたユネスコ(国連教育科学文化機関)の第八回政府間委員会は、「和食」を無形文化遺産に登録することを決めた。「食」分野では、仏・地中海・メキシコ・トルコに次ぐ五件目の登録となった。

 日本政府は、十二月三日、「和食:日本人の伝統的な食文化」を無形文化遺産に登録申請した際、和食の特長として以下の四点をあげている。

 一、多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重。

 二、栄養バランスに優れた健康的な食生活。

 三、自然の美しさや季節の移ろいの表現。

 四、年中行事との密接な関わり。

 無形文化遺産は、「世界遺産」「世界記憶遺産」とともに、三大遺産事業の一つだ。日本からは、能楽、歌舞伎、アイヌの古式無踊などに続き二十二件目の登録である。
 
実は、筆者は、この無形文化遺産登録のニュースを聴いたとき、少し厭な予感をもった。これを機にステレオタイプの食文化論や栄養学が頭をもたげてくることに危惧を抱いたの・・・