三菱UFJが抱える「内紛」の火種
契約社員の「組合員化」で行内に亀裂
2014年5月号
「給与や有給休暇をはじめとする福利厚生制度など、契約社員の大半は会社側の待遇に強い不平不満を抱いている。それを丸々組み込むようなことをして本当に大丈夫なのか」。三菱東京UFJ銀行(BTMU)従業員組合の事務局関係者が不安を口にする。
全従業員の四人に一人、およそ一万二千人が在籍している契約社員について、正社員と同一の労働組合への加入を認めることで合意したBTMU労使。三月末までに月給制で働く嘱託契約社員や時給制の契約社員ら約五千二百人が労組に加入。今後さらに二千人前後の加入が見込まれるほか、新たに雇用される契約社員は全員が自動的に組合員となる。
景気回復で人手不足感が日増しに強まる中、経営側からすれば「ほとんどコストをかけることなく優秀な人材の囲い込みや忠誠心向上を図ることができ、非正規雇用の待遇改善を訴求することで企業イメージもアップ、今後の人材確保にも有利に働く」(BTMU幹部)との思惑があったのだろう。ましてBTMUでは平野信行頭取がこの四月から全国銀行協会の会長に初めて就任。正規・非正規の賃金格差や非正規雇用の増大が社会問題化する中で、「格好の後方支援」(前出関・・・