安倍の難問「内閣改造」の行方
盤石の政権運営が揺らぐ可能性
2014年5月号
安倍晋三政権の発足からはや一年四カ月が経つが、内閣支持率は依然五~六割の高水準を維持している。人気を誇った小泉純一郎内閣でも、ふだんは四割ちょっとだったのだから、安倍内閣に対する国民の支持は底堅い。
集団的自衛権に関する憲法解釈変更問題や環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)、原発再稼働問題などをめぐり、自民党内からは不協和音も聞こえる。とはいえ、これも広がりは限定的だ。
「愚かな坊ちゃん的な考え方」
「わがままな坊ちゃん総理」
安倍首相の憲法観、政治手法についてこう酷評した古賀誠元幹事長をはじめ、野中広務元幹事長や山崎拓元副総裁、河野洋平元総裁ら自民党OBらは、外野から首相批判を繰り返している。
だが、こうしたバッジを外した連中の安全地帯からの「口撃」はメディアをにぎわしこそするものの、国民の視線は冷ややかだ。国民は政界の内輪もめや足の引っ張り合いにうんざりしている。
政権の帰趨を決める人事カード
まさに「安倍一強」という状況が現出しているが、かといって安倍首相やその周囲に悩みがないわけではない。首相が今夏に断行する内閣・・・