「立ち往生」のアベノミクス
「株価連動型内閣」の失速近し
2014年5月号
「アベノミクスを採点するとどうなるのか?」
「三本の矢のうち第一の矢に当たる大胆な金融緩和はA評価。第二の機動的な財政出動はB評価。そして第三の矢である成長戦略は残念ながらE評価。これを並べるとABEになる」
これが永田町で流布しているアベノミクスを揶揄するブラック・ジョークだ。確かに日本銀行を軸にした大胆な金融緩和は、首相安倍晋三が野党自民党の総裁時代からデフレ脱却の切り札として繰り返し訴えたアベノミクスの中核的な政策だ。これに沿って安倍は日銀総裁の交代を公言し、場合によっては日銀法の改正にまで言及した。この結果、前首相の野田佳彦が衆院解散に踏み切った段階から、政権交代を織り込んで市場は敏感に反応した。
株価低迷に官邸は戦々恐々
衆院解散当日の東京証券取引所の日経平均株価は九千二十四円。以来衆参両院の選挙を経て昨年十二月の大納会には一万六千二百九十一円の最高値を付けた。しかし、年が明けると株価は下降線を辿り、一時は一万四千円を割り込んだ。その後もいまひとつ上昇気流に乗り切れず、一万四千円台のもみ合い状態が続く。証券業界では「節分天井、・・・