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韓国で根強い「反米感情」

中国に擦り寄る「無謀な同盟国」

2014年5月号

 旅客船沈没事故の混乱の最中オバマ大統領を迎えた韓国では今、反米機運がかつてないほどに高まっている。反日感情と同様に歴史的背景を持つ反米の意識は、台頭する中国への擦り寄りも加わり、韓国を危険な方向に導こうとしている。 中国への異常な「配慮」  今年三月六日、ソン・キム駐韓米国大使を招いた「討論会」がソウル都心のプレスセンターで開かれた。中堅記者で作る団体が主催したもので、ベテラン記者がパネリストとなり各界の著名人を質問攻めにする一種の記者会見だ。  案の定、質問は日本関連に集中したが、慰安婦問題での答弁に目新しいものはなかった。専門家の間で話題になったのは、朝鮮日報の外交担当記者として有名な李河遠政治部次長の質問だった。「日本の集団的自衛権行使は韓国を害するものではない」と強調したキム大使に李次長はこう発言した。 「一八八二年の韓米修好以来、米国は間違った選択をしたことが何回かある。それは日本と関係するものだった。一九〇五年の桂・タフト密約であり、五一年のサンフランシスコ講和条約だ」  日本の読者には解説が必要だろう。「桂・タフト密約」は、米国のフィ・・・