インターネット「管理」を止める米国
サイバー空間「分断」の危機迫る
2014年5月号
「インターネットはいかなる国または複数国の政府にも管理されるべきではないということだ」。インターネットという空間をこの世に生み出した米南カリフォルニア大学の故ジョン・ポステル教授は、かつてこう述べていた。誕生から今日に至るまで、「誰が管理すべきか」という問いに世界は答えを出せぬまま、インターネットは急膨張を続けてきた。
だが今、この「インターネットガバナンスにおける問題」は重大局面を迎えている。三月十四日の米商務省による「重大発表」の存在を知っている読者はほとんどいないだろう。その衝撃で世界が揺れているにもかかわらず、日本では一般紙はおろか専門メディアでさえも報じていない。「米国は手元にある“インターネットの電話帳”を手放すことを約束した。サイバー空間を統治する方法についての議論が開かれたのだ」―。英『エコノミスト』誌は、わかりやすい表現でこの発表を報じた。「インターネットの分断」という危機的未来の可能性について今、世界中で論じられている。
DNS管理を明け渡す米国
「すべての米国人はオバマが・不確かなグループ・へインターネット管理を明け渡そうとしてい・・・