米共和党に「復活」の兆し
秋の中間選挙「上院奪還」が濃厚
2014年5月号
米国の共和党が大統領選の二連敗から息を吹き返し、今年十一月の中間選挙で、連邦議会の上下両院を制する勢いを見せている。共和党自体の再生ではなく、オバマ政権が医療保険改革をめぐる混乱で人気が急落するという、敵失に乗じたものだ。米国政治の機能不全はオバマ大統領の任期終了まで続く見通しとなった。
カナダと国境を接する北東部のニューハンプシャー州は、人口でも面積でも下から数えた方が早い小州だが、全米で最初に大統領予備選が行われることと、第二次世界大戦後の世界経済秩序を作ったブレトンウッズを擁することで、世界に知られている。
州民気質は独立不羈。「自由か、然らずんば死を」をモットーにし、その投票行動は全米動向を反映することが多い。
この州の上院議員選に異変が起きている。現職ジーン・シャヒーンは同州初の女性知事で、圧倒的人気を誇る。当初は「無風」と見られたが、スコット・ブラウン前上院議員が参戦して様相が変わった。
ブラウンはモデル出身で、雑誌の「最もセクシーな男性」に選ばれたこともある。四年前、民主党の金城湯池であるマサチューセッツ州の上院補選で、共和党が弱い女性票・・・