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社会・文化

東大医学部 「カネとコネ」の腐臭

「不祥事の宝庫」に迫る捜査のメス

2014年5月号

 東京大学医学部の腐敗が止まらない。白血病やアルツハイマー病の臨床研究での不正が世間を賑わせているが、これらは氷山の一角にすぎず、病巣はさらに深い。東大医学部附属病院に勤務する医師は「情実人事、賄賂、裏口入学が日常化している」とすさみきった実態を嘆く。  三月三十一日、東大は五十代の男性教授の諭旨解雇を発表した。解雇されたのは天野史郎・前東大大学院医学系研究科教授(眼科学専攻)。解雇理由は、四年前に教授に昇格した際、祝儀名目で同じ医局の三十代の女性医師から百万円を受け取ったことだ。天野は大学院博士課程の試験委員を務めており、件の女医は大学院入学を希望していた。東大は「女医は不合格になっており、問題を漏らしたり、便宜を図ったりした事実は確認していない」と説明しているが、実態は裏口入学未遂である。 裏口入学は日常的  天野前教授に百万円を渡した女医は、二〇〇三年に東邦大学を卒業。東大病院で臨床研修後、東大の眼科に入局した。当時の指導医が助教授だった天野だ。  この女医の評判は芳しくなく、東大眼科の医局員は「甘やかされて育ったようで、根気がない。勤務先も・・・