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社会・文化

言論の自由を「破壊」する裁判所

デタラメだらけの「名誉毀損」判決

2014年4月号

 裁判所による「雑誌いじめ」が止まらない。 「あの記事が敗訴なら、雑誌のすべての記事が名誉毀損になる」  大手紙司法記者はこう語る。あの記事とは、二〇一二年七月に『週刊文春』(文藝春秋)が掲載した、日本経済新聞社長と女性社員が男女関係にあり、日経社内で情実人事が行われていると報じたもの。日経などが一億七千二百万円の損害賠償を求めて提訴し、三月四日、東京地方裁判所は文春側に一千二百万円の支払いを命じた。  社長や女性社員のプライバシー侵害についてはともかく、判決では男女関係についても完全否定された。文春は社長が借りていたマンションに女性社員が頻繁に出入りしていることを確認し、写真も押さえていた。周辺への緻密な取材のうえで「男女関係にある」と書いたのだが、裁判所は「別の知人の部屋を訪れた可能性がある」という理由でこれを認めなかった。下世話な話になるが、男女関係の立証のためには「行為」そのものの現場を押さえる必要があるということなのだろうか。 最高裁事務総局の「意思」  これ以外にも、今年に入ってから、前長崎県知事の金子原二郎参議院議員が、地元干拓・・・