策定中のエネルギー基本計画を巡る与党内のゴタゴタは続いているが、焦点は「原発をベースロード電源とする」という文言や再生可能エネルギーの目標数値など、核心以外の部分に終始している。

「政府の計画案で謳っている『核燃サイクルの維持』は矛盾だらけ。原発反対派だけでなく、原発推進の立場からみても面妖な代物だ」

　国立大学の原子力研究者はこう指摘する。欺瞞に満ちた基本計画策定のために総合資源エネルギー調査会の分科会が昨年七月から十三回開催された。この分科会に事務方として参加し、現在自民党などの説得に回っているのが、資源エネルギー庁大臣官房審議官（エネルギー・環境担当）の後藤収だ。

　後藤は一九八五年に東京大学経済学部を卒業後、通商産業省（当時）に入省。二〇〇五年にエネ庁の電力・ガス事業部電力基盤整備課長になった。その後も長官官房総合政策課長、経済産業省大臣官房審議官などを歴任し、一二年七月から現在のポストに座った。

　後藤らが目指しているのは「旧来の原子力ムラの利権を守ること」（前出研究者）だ。日本がこれま・・・