公明党で「山口降ろし」の気運
集団的自衛権めぐる「コップの中の嵐」
2014年4月号
野党でのさざ波が起きる以外、無風状態が続いてきた永田町に政局の季節が到来している。舞台は自民党ではなく連立与党の一角を占める公明党だ。
「集団的自衛権を巡るさや当てを端緒として、山口体制の脆弱さが浮き彫りになっている」
全国紙政治部記者はこう語る。創価学会という強力な支持母体を背景に、執行部の下で一糸乱れぬ統制を誇ってきた公明党。かつて党幹部が「うちは自民党みたいに党内抗争でふらふらすることはない」と胸を張った面影はない。孤立する党首、山口那津男は追い詰められている。
太田「代表復帰」への色気
「集団的自衛権に名を借りて戦争をすることはない。歯止めは考えている」
三月十八日夜、都内のホテルで公明党新人議員七人と酒を酌み交わしながら、自民党幹事長の石破茂はこう説いた。今夏にも、閣議決定による集団的自衛権行使容認の憲法解釈変更を目論む首相安倍晋三。石破は、その意に沿うべく山口や国対委員長の漆原良夫が反対姿勢を見せている公明党の新人議員を懐柔しようという狙いでこの席を設けた。
「こんな時期に会うなんて政治センスがない」
公明党幹・・・