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WORLD

復活する東南アジアの「海賊」

脅かされる西太平洋のシーレーン

2014年4月号

 マラッカ海峡を中心とする東南アジア海域で、海賊が再び増加している。日本も参加する国際協力体制で一度は封じ込められたはずだが、ここにきて襲われる船舶が増えているのだ。

 警備態勢が緩んだわけではないため、状況は以前よりも深刻だ。日本をはじめとする東アジア諸国の経済に直結する深刻な事態が進行している。

 今年二月六日朝、マラッカ海峡の一方の出口、マレー半島の先端を回るシンガポール海峡で立て続けに二隻の船が襲われた。まず当日未明に、航行中の貨物船に五人の男が乗り込んだが、警報によって逃走した。しかしその直後に、近くで錨泊していたコンテナ船が海賊に襲われ、乗組員の携帯電話や船の部品を盗んで逃走している。二件目の事件の犯人は七人であり、両事件が同一犯によるものかはわかっていない。

再び「海賊銀座」へ

 国際海事局(IMB)が公表している海賊事件をみると、今年に入って東南アジア海域で発生した事件は十五件で、全世界の発生件数の約半分を占める(二月末時点)。この間、アフリカ大陸東岸のソマリア沖やアデ・・・