「財政破綻」寸前の首都ローマ
「デトロイト」さながらの惨状
2014年4月号
「永遠の都」ローマがアメリカ・デトロイト型の財政破綻の危機に見舞われ、マッテオ・レンツィ新政権の救済をあおいだ。世界屈指の観光名所を持ちながら、宿泊施設や公共サービスで大きく立ち遅れている。レンツィ政権は「百日でイタリアを変える」と豪語しているが、ローマ以外にも財政難の自治体が五百もあり、国全体の赤字体質脱却は望めそうにない。
イタリア全土で見ると氷山の一角
何事にも手打ちがあるのはイタリア式だ。
今年二月末、就任ほやほやのレンツィ首相とイグナツィオ・マリーノ・ローマ市長が「フォロ・ロマーノ」で談笑し、レンツィ政権の「ローマ市救済」政令をともに祝福した。高名な移植外科医から政界入りしたマリーノが満面の笑みを浮かべたのに対して、新首相はぎこちなかった。
ローマが緊急支払いに必要としたのは、八億ユーロ以上。「なぜ、ローマだけ特別扱いなのか?」と、他の重債務自治体からの批判が強く、首相就任までフィレンツェ市長だったレンツィも、「救済はしない」と明言していた。だが、新政権の発足早々に首都が財政破綻では、国の信用がさらに傷つくとあって、緊急支払いの肩代・・・