「泥縄」のJCB東南アジア事業
「日の丸カード」消滅への序章
2014年4月号
「日本で唯一の国際クレジットカードブランド」を標榜するジェーシービー(JCB)の東南アジア事業が、現地で失笑の的になっている。きっかけは、このところ主要開拓先と位置付けてきた東南アジア地域の中心地、タイでの事業の急激な落ち込みと、その後の泥縄的な対応だ。
同社は中期事業計画で、「インドシナ半島でのカード発行枚数を数年のうちに百万枚にする」と大見得を切っているが、この計画に対してライバル各社からはすでに「絵空事」と冷ややかな指摘も受けていた。そこにきてのタイ反政府デモによる打撃。焦りを隠せぬJCBが打ち出したのが、とても穴埋めにもならない周辺国への進出計画だった。 “日の丸カード”JCBの凋落に向けた「序章」がいよいよ始まったかのようだ。
「手に取るように伝わる迷走ぶり」
国際クレジットカード業界においては、トップのVISAや富裕層向けのアメリカン・エキスプレス、さらにはマスターカードの三強に加え、ダイナースクラブと新興の中国銀聯、JCBが続くという構図がここ数年続いている。彼らをして業界では「世界六大ブランド」と称する。
だが、この中でJCB・・・