武田薬品を腐らす「長谷川独裁」
営業と開発の「人材流出」が始まった
2014年4月号
「何人も医薬品、医薬部外品、化粧品または医療機器の名称、製造方法、効能、効果または性能に関して明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽または誇大な記事を広告し、記述し、または流布してはならない」。薬事法第六十六条はこう規定し、虚偽・誇大広告をつとに戒めている。違反すれば二年以下の懲役もしくは二百万円以下の罰金(併科を含む)だ。
本誌二月号で報じた武田薬品工業の降圧剤「ブロプレス」(一般名カンデサルタン)を巡る臨床試験“捏造”疑惑がついに火を噴いた。三月三日の会見で長谷川閑史社長ら首脳陣はブロプレスの営業活動に利用していた販促資材が、日本製薬工業協会の販促コードに抵触する不適切なものであったことを認めて謝罪。その一方で「(米ファイザーなどが販売する競合薬ノルバスク=一般名アムロジピンと比べて)どちらを長期に使ったらいいか示したもので、薬効そのものには関係ない」などと釈明したうえ、「データ自体の改竄などは行っておらず、われわれは誇大広告とは判断していない」と突っぱねたが、詭弁であろう。
二〇〇八年に米国学術誌に・・・