アジア経済は「三年」沈む
成長神話「崩壊」が日本を直撃
2014年4月号
「アジアは成長し続ける」。少なくとも過去十年間、世界はアジアのとてつもない成長エネルギーと潜在力を目の当たりにし、こう考えるようになった。先進国が成長力を弱めるなかで、混乱しながらも膨張するアジア経済は希望の存在であった。だが、今、中国経済のバブル崩壊は誰の目にも明らかになり、インドは再び停滞の沼に漂っている。東南アジア諸国連合(ASEAN)は賃金上昇と消費活性化の「成長歯車」にきしみが出始め、通貨危機の不安もちらつく。アジア経済は成長の小休止に入ると覚悟すべき時だ。場合によっては、その小休止が三年間は続くものとみられる。
「アジア内需」の急激な落ち込み
中国のバブル経済崩壊はもはや兆しではなく、日々、現実のものとなっている。今年一月から理財商品のデフォルト(償還不能)が数件、立て続けに起きかけ、「ホワイトナイト」ならぬ”紅い騎士”による不透明な救済が実施された。中国共産党はデフォルトの津波が起きることをなんとしても防ぎたかったからだ。
その後、三月の全国人民代表大・・・