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尖閣が「クリミア」になる日

ロシアを止められぬ「西側」の代償

2014年4月号特別リポート

 結局、剣はペンよりも強いのである。三月二十四日にオランダ・ハーグで開かれた日米欧とカナダの先進七カ国緊急首脳会議(G7)はロシアによるウクライナ南部クリミア自治共和国併合を「明確な国際法違反であり、世界中の法の支配に対する深刻な挑戦だ」と批判したが、キャメロン英首相が唱えた「主要国(G8)からの恒久追放」などには踏み込めなかったではないか。それどころか、「われわれはG8で意味のある議論を行う環境が整うまでG8への参加を停止する」とロシアに逃げ道を残してしまった。

「軍事力は行使しない」と公言してきたオバマ大統領と北大西洋条約機構(NATO)にはクリミア半島をもぎ取っても実力行使の意図なし、と読み切ったプーチン大統領の計算がある。

有無を言わせぬプーチンの剛腕

 親ロ派のヤヌコビッチ・ウクライナ前大統領が追放されたためにプーチン大統領が激怒して反撃に転じたなどという時事解説はどうでもいい。要は、冷戦後に東方拡大を続けるNATOと欧州連合(EU)に、プーチン大統領は「ユーラシア連合」というもう一つの「EU」で旧ソ連の再現を夢見ているの・・・