「日米摩擦」安倍の言い分
オバマ訪日でも埋まらぬ「溝」
2014年3月号
「米国は(安倍晋三首相の靖国神社参拝に)失望したと表明したが、むしろわれわれが失望という感じだ。米国は同盟国の日本をなぜ大事にしないのか」
安倍首相側近の衛藤晟一首相補佐官がこう米国を批判したことに対し、国内メディアは「とんでもない失言だ」と大騒ぎした。
米国が日本に失望を表明するのはよくて、その逆は問題だというのは属国根性の表れだが、いつものパターンでもある。
特に、日ごろは安倍政権の外交姿勢を「対米追随」と決め付ける傾向がある朝日新聞は一面トップ(二月二十日付朝刊)でこれを取り上げ、「米政権 厳しい見方」との見出しを打った。
安倍政権側も、菅義偉官房長官が記者会見で「政府の見解ではない」と強調し、衛藤氏に発言を撤回させるなど早期の幕引きに動いた。また、その後の閣僚懇談会で「緊張して脇を締めて臨んでもらいたい」と引き締めを図るなど、事態の沈静化に努めている。
ただ、安倍首相自身を含め政権内に、衛藤氏を強く批判する者はほとんどいない。
衛藤発言は日米離反を狙う中国や韓国を利することになりかねないという点で「言わずもがな」ではあっても、その・・・