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社会・文化

STAP細胞「狂騒曲」の深層

理研の「悪意」とメディアの「バカ騒ぎ」

2014年3月号

 京都大学・PS細胞研究所の山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞したのは一昨年のこと。今年一月末、STAP細胞(刺激惹起性多能性獲得細胞)の研究成果が発表されると「すわ二人目のノーベル賞か」という報道が溢れかえった。その後、追試の失敗や、論文に使用された画像の使い回し疑惑が浮上しているが、現時点でその結論は出ていない。  今回の「騒動」では、STAP細胞の成否とは別に、理化学研究所の姿勢に重大な疑問が呈されている。また、欧米研究者や『ネイチャー』に代表される有名科学誌を妄信する日本のメディアや日本人の滑稽さも浮き彫りになった。 iPSとの比較に「悪意」 「理研はこれといった研究成果を出しておらず焦っていた」  関東の大学研究機関でiPS細胞の研究をする医学部教授は、今回のSTAP細胞騒動をみてこう語る。理研は言わずと知れた最先端研究機関の一つであり、独立行政法人として多額の研究予算を確保している。物理学、化学、生物学などあらゆる研究者が集結し、八百四十四億円(二〇一三年度)の税金が投入されている。一躍スターとなった小保方晴子氏が所・・・