習近平が 「台湾統一」へ盲進
「威信確立」に焦り軍部と暴走
2014年3月号
中国の習近平国家主席が「台湾統一」に動き出した。東シナ海と南シナ海のつなぎ目に位置する台湾を中国がとれば太平洋の西半分、ハワイまで中国の勢力圏に変わり、アジアのパワーバランスは激変する。「中華民族の偉大な復興」を旗印にして登場した独裁者にとって、これこそが「中国の夢」だ。
中台間の動きは急だ。旧正月(春節)明け間もない二月十八日、北京を訪れた連戦・国民党名誉主席と会談した習近平は、「台湾同胞の社会制度、生活様式は尊重する。これまでの言動は問わない」と語った。「統一派」の連戦は中国共産党の“古い友人”であるだけに、習近平の表情は終始にこやかだった。だが、話の内容はまるで城攻めの戦勝軍司令官が開城を迫るかのようだ。両者の最大の相違点となる政治体制について、習近平は「尊重する」と言わなかった。台湾統一後の姿は、総統直選制、議会制民主主義の政治体制を残す「一国二制度」ではないと言ったのだ。
これに対し、連戦は「(台湾海峡の)両岸関係は国際関係ではない。一歩一歩」と答えた。「国際関係ではない」ということは、台湾・・・