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経済

ソニーはもはや 「蘇らない」

米韓連合の前にスマホ事業は「風前の灯」

2014年3月号

 二〇一四年二月六日、ソニーの平井一夫社長は、「バイオ」ブランドで一世を風靡したパソコン事業と長年にわたって同社の屋台骨を支えてきたテレビ事業の売却に加え、五千人もの人員整理という大リストラ策を発表した。これまで手を切れなかった赤字事業をようやく切り離し、経営資源をスマートフォン・タブレット端末などの成長分野に集中投下する、遅ればせながらの「再生案」だが、市場の評価は決して芳しくない。  さらに米国と韓国からは、ソニーの行く手に「暗雲」をもたらすような不穏な動きが伝わっている。しかも、その動きは一見、ソニーとは無関係にみえるが、実は強力な破壊力を秘めた「嵐」なのだ。 グーグルとサムスンの「完全和解」  一四年一月二十九日、インターネット検索世界最大手の米グーグルは、一二年五月に買収したモバイル通信端末大手の米モトローラ・モビリティの株式を、パソコン大手の中国・聯想集団(レノボグループ) に売却することを明らかにした。通信業界を担当する全国紙経済記者は「モバイルOSのライバルである米アップルの『iPhone』に対抗するため、スマートフォンな・・・