穀潰し「防衛駐在官」の実態
焼け太る「名ばかり」諜報要員
2014年2月号
「防衛駐在官は穀潰し」
複数の在外公館勤務を経験したノンキャリア外交官はこう吐き捨てた。防衛駐在官とは、一般には「駐在武官」と称される在外公館に勤務する自衛官のことだ。各国の軍事情報を収集するのが本来の目的だが、実際には「ほとんど機能していない」(外務省関係者)。
政府は来年度予算案で、防衛駐在官の増員を計画している。昨年一月に発生し、日本人十人が犠牲者となった「アルジェリア人質事件」を受けた措置であり、これまで「空白区」となってきた地域に派遣する。アフリカ七カ国をはじめ、九人増員させる計画で、現在の四十九人から一気に二割増やす。
問題はたかだか九人の公務員ポストの行方だけではない。防衛駐在官の問題は、インテリジェンスの在り方が問われるテーマだ。
米国のおこぼれ頼み
実際の駐在官はどのような活動をしているのか、中国のケースを見よう。北京にある日本大使館には陸海空の自衛隊から一人ずつ、計三人が派遣されている。最大の派遣国は米国ワシントン(六人)で、中国はこれに次ぐ。北京の駐在官の仕事ぶりには身内の防衛省からも不満が漏れる。
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