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政治

「下り坂」転げる安倍政権

官邸内の亀裂と与党内の「不協和音」

2014年2月号

 小泉純一郎以来、七年ぶりに首相として二度目の新年を迎えた安倍晋三。年頭から「安倍カラー」を前面に押し出した。一月七日午前十時過ぎ、東京・永田町の党本部九階で開かれた仕事始めは異例の形で始まった。結党以来、初めて「君が代」の斉唱が行われたのだった。この仕事始めの進行役が安倍の側近で総裁特別補佐の萩生田光一だ。当選まだ三回、ほとんど無名に近い若手議員だが、安倍の信頼は厚く、安倍とのホットラインを持つ。昨年末の十二月二十六日に安倍が敢行した靖国神社参拝についても首相補佐官衛藤晟一と並んで積極的に安倍に強く働き掛けをしてきた中心人物。靖国参拝をめぐっても傍若無人ぶりは目に余る。再び安倍は第一次政権の命取りになった「お友達内閣」に先祖返りしたと言ってもいい。 過信が呼び込んだ「外交危機」  それでも大きく国益に沿って政治が前に進むならまだしも、外交としては致命的な深手になりつつある。とりわけ米国が「失望した」と異例の声明を発したように、代償が早くも徐々に形となって現れ始めた。  安倍の靖国参拝を受けて続々とワシントン詣でが続く・・・