インドネシア 「経済停滞」は長引く
ろくな大統領候補が見当たらず
2014年2月号
今年はインドネシアの政治の年だ。四月の総選挙に続き、七月には大統領選が控える。二期十年を務めたユドヨノ政権は完全な死に体となり、国民の関心は次期大統領に移っている。ジャカルタで手広く事業を手掛ける華人経営者の一人はこう不安を漏らす。
「インドネシア経済は選挙の年に必ずといっていいほど停滞する」
昨年夏以降、通貨・株安に見舞われたインドネシア経済は、現在のところ一息ついているように見える。しかし政府による有効な経済政策がなければ、近年の急成長で積み上げたものが崩れ去ってしまう危機に瀕している。
人気集める「ジョコウィ」
昨年から一気に次期大統領選挙の「台風の目」となったのがジャカルタ特別州知事のジョコ・ウィドドだ。「ジョコウィ」の愛称で親しまれ、国民から圧倒的な支持を得ている。昨年時点では、各社の次期大統領世論調査で軒並み三割以上の支持を集め、中には五〇%近い支持を集めた調査もあった。
ジョコウィは一九六一年にジャワ島中部の古都ソロ(スラカルタ)で生まれ、大工を営む貧しい家庭で育った。十代前半で大工の修業を始めたが、その優れ・・・