スズキがインド事業で「暴走」
「裸の王様」鈴木会長の老害露わ
2014年2月号
インド自動車市場で四半世紀以上にわたってトップを走り続けてきたスズキに、暗雲が立ち込めている。インドで計画中の次期第三工場の運営をめぐり、スズキの「絶対的経営者」である鈴木修会長兼社長が「暴走」し始めたのだ。
一月二十八日、スズキは、インド北西部のグジャラート州に「全額出資」の子会社を設立し、約五百億円を投じて新工場を建設すると発表した。この新工場とはもともと、スズキのインド子会社マルチ・スズキ・インディア(以下マルチ)が二〇一二年六月に「第三工場」として計画していたものだ。市況の冷え込みを理由に昨年、急遽計画は凍結されていた。
それが今回、周囲も狼狽する鈴木会長の「独断」によっていびつな形で動きだした。その独断とは、「グジャラート工場をマルチから取り上げ、日本のスズキが直接コントロールする」(スズキ関係者)というものだ。普段は決して漏れるはずのないこの種の「内幕」が外部に漏れるのは、鈴木会長の考えに同調できない幹部が少なからずいるためだろう。
三十年来の盟友に「最後通牒」
事の発端は、一二年七月に第二工場であるマネサール工場で・・・