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連載

Book Reviewing Globe353 

「予測不可能」な時代の心得

2013年10月号

The Signal and the Noise Why So Many Predictions Fail - but Some Don’t

 福島第一原発事故の際、文部科学省はSPEEDIという放射能拡散予測のソフトウェアを持っていながら、それを住民避難のために使わなかった。予測が外れた場合、住民から厳しい批判にさらされ、場合によっては訴訟されるかもしれないことを恐れたのだった。

 文科省のお粗末さは弁解の余地がないが、この「予測」という仕事は実は大変に難しい仕事であることもまた確かなのである。

 著者は、ニューヨークタイムズ紙で活躍し、七月にESPN/ABCへ移籍したばかりのブロガーだが、自ら野球や選挙の予測をビジネスにしている起業家でもある。

 ソ連の崩壊を的確に予測した専門家も政治学者もいなかった。

 一九九〇年末の段階で、米CIA(中央情報局)は、ソ連のGDPの規模は米国の半分と推測していた。CIAは、ソ連はまだまだ続くと見ていた。

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