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連載

Book Reviewing Globe 連載356

「領土問題」中国の考え方

2014年1月号

 中国が尖閣諸島を含む東シナ海海域に防空識別圏(ADIZ)を一方的に設定したことで、日本、韓国、米国との間に新たな緊張が生まれた。

 歴史的に領土・領海紛争は戦争を引き起こす最大の原因であり続けてきた。いったい、中国は領土・領海問題に対してどのような思想と計算で臨んでいるのか。

 中国は一九四九年の建国以来、二十三の領土・領海問題を抱えてきたが、そのうち十七は解決した。

 その多くは中国の"持ち出し"である。

 紛争区域の面積譲歩率は、アフガニスタン一〇〇%、タジキスタン九六%、ネパール九四%、ラオス七六%、カザフスタン六六%、モンゴル六五%、北朝鮮六〇%、ベトナム五〇%、ロシア五〇%、である。

 一方、中国が領土問題で武力を行使したのは六ケースである。インド、ベトナム、台湾、ソ連などがその相手である。

 数だけで言えば、中国は領土問題を外交交渉で解決してきた方がはるかに多い。そのほとんどが陸地をめぐる領土問題である。
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