不興買うオリックスの アジア事業
カンボジア出資先の「怪しい」素性
2014年1月号
「濡れ手で粟のアクレダ銀行の商法に加担するつもりか」
いま、カンボジア国内で強まる反発に晒されているのが、国内リース事業、金融サービスなどを手がけるオリックスである。ここにきて海外事業へ軸足を移している同社が二〇一三年十一月十三日、カンボジア最大の商業銀行アクレダ銀行への資本参加を発表した直後のことだ。この出資劇が現地で妙に評判がよくないというのだ。
関係者によると、出資先のアクレダ銀行は貧困解消を目的としたマイクロファイナンス(少額貸付)機関と称するものの、生活改善には役立っていないどころか、新たな非正規金融(闇金)の登場を招く「元凶」などと一部で指摘されているという。アクレダ銀行とは、一体どんな銀行なのか―。
貧困解消の「理想」は変質
カンボジアの内戦が集結し、パリ和平協定が結ばれたのが一九九一年十月。アクレダ銀行の前身であるNGOが誕生したのは、その一年三カ月後だった。後にノーベル平和賞を受賞したバングラデシュの経済学者ムハマド・ユヌス氏が創設した「グラミン銀行」をモデルに設立。荒廃しきった国土で、貧困層を対象に「低金利」の・・・